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適正な処理・再資源化を目指す 二輪車リサイクルシステムの仕組み

本ページは、一般社団法人日本自動車工業会が発行している月刊誌
「Motorcycle Information」2004年9月号の記事を掲載しております。

10月1日から、「二輪車リサイクルシステム」が動き出す。これは、廃棄二輪車の適正な処理・再資源化を目指して、メーカーと輸入事業者が共同で行う新しい取り組みだ。システムの特徴は、メーカーなどが責任をもってリサイクルするという点。二輪車の引取窓口や処理施設を全国に設定するなど、リサイクルのための仕組みを整備した。また、全国約1万5,000店の販売店が廃棄二輪車取扱店となっており、ユーザーは、最寄りの店にリサイクルを依頼することもできる。このシステムへの広い理解と協力、そして社会への浸透が期待される。

二輪車の再資源化10月1日から、国内メーカー4社と輸入事業者11社*注(以下メーカー等という)による、「二輪車リサイクルシステム」がスタートする。これは、使用済みとなった二輪車の再資源化を促進し、ゴミの減量を図る目的のもので、二輪車業界の自主取り組みとして行われる。いちばんの特徴は、メーカー等が製品を引き取ってリサイクル処理をするという点。また、ユーザーは、最寄りの販売店(廃棄二輪車取扱店=以下取扱店という)にリサイクルを依頼することもでき、全国規模の受け入れ体制となっている。システムの具体的な中味はどうなっているか、二輪車が取扱店に持ち込まれて再資源化されるまでの流れを追ってみる。

※注:
(株)成川商会/(株)カジバ・ジャパン/(有)アプリリア ジャパン/(株)福田モータース/(株)キムコ・ジャパン/(株)プレストコーポレーション/(有)ブライト/ドゥカティ ジャパン(株)/ビー・エム・ダブリュー(株)/トライアンフ ジャパン(株)/(株)エムズ商会

メーカー等が主体となって回収・リサイクル

今回導入されるシステムは、近年とくに社会から強く求められている、製品のリサイクルに関する"拡大生産者責任"の要請に、メーカー等が応えるもの。
昨年6月に『廃棄物処理法』が改正され、リサイクルを促進すべき立場にあるメーカーなどは、地方自治体ごとに廃棄物処理業の認可を受けなくとも広域的に製品のリサイクルに携わることができるという"特例制度"(環境大臣による認定)が設けられ、これでメーカーにもリサイクルの具体的な取り組みができるようになった。
二輪車リサイクルシステムは、まさにこの特例制度の認定を受けて行われるもので、メーカー等は自らリサイクルの主体となって、ユーザーから使用済み二輪車を引き取り、適正な処理を遂行する。もっとも実際には、専門業者がリサイクル処理を代行することになるが、あくまでその責任はメーカー等にあるという仕組みになっている。
具体的には、メーカー等とリサイクル関係事業者が契約し、使用済みの二輪車を回収するための「指定引取窓口」を全国に190カ所設けた。また、再資源化を図る「処理・リサイクル施設」を14カ所確保した。これによって、ユーザーや取扱店から「指定引取窓口」に持ち込まれた二輪車は、すべてこの「処理・リサイクル施設」に送られて適正に処理・再資源化が図られることになる。メーカー等は、この一連のリサイクル処理が間違いなく行われるよう管理するというわけだ。

販売店にリサイクルを依頼できる

取扱店のステッカー取扱店のステッカー全国に190カ所確保されているとはいえ、使わなくなった二輪車を指定引取窓口まで持ち込むのに不便なユーザーも多いはず。そこでさらにきめ細かなネットワーク体制をとるため、社団法人全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が協力し、従来行われてきた「廃棄二輪車取扱店」制度を今回のリサイクルシステムにリンクさせることにした。
この"取扱店制度"は、二輪車の廃処理業務の一部(主に収集・運搬)を販売店が行えるよう、1995年に制度化されたもの。登録した店は全国で約1万5,000店にもおよぶ。このためユーザーは最寄りの取扱店に二輪車のリサイクルを依頼し、運搬料金を支払うことで車両をスムースに引き取ってもらうことができる(ユーザーが直接、指定引取窓口に持ち込むことも可能)。取扱店は、ユーザーを代行して、廃棄車両を指定引取窓口まで運搬することになる。
なお、取扱店では、「廃棄二輪車取扱店」であることを示す証票を店内に掲げ、ステッカーを店先に貼り出すなど、ユーザーにわかりやすいように明示することになっている。

車体にはリサイクルマークを貼付

二輪車リサイクルマーク二輪車リサイクルマーク社会的に"ゴミの処分"については広く"排出者責任"の考えが浸透している。このシステムでもその理念を踏まえて、ユーザー(排出者)がリサイクル費用を負担する考えに立っている。このためメーカー各社は、今後、自社の二輪車に必要なリサイクル費用を見通して、希望小売価格に織り込む方式をとっていく。これにより、システム参加メーカー等が10月1日以降に出荷・販売する二輪車のなかには、すでにリサイクル費用が含まれた製品も出てくることになり、その証として「二輪車リサイクルマーク」(Rマーク)が車体に貼付されることになっている。

もちろん、すでに販売されたものなどRマークのない二輪車も、システム参加メーカー等の製品であれば、システムを通じてリサイクルすることができる。ただしこの場合は、メーカー等が各社ごとに定めたリサイクル料金をユーザーが支払うことになる。なお、システム稼働から7年間経過後の2011年10月1日からは、国内4メーカーの二輪車(国内向け販売車)については、Rマークのない二輪車に関してもユーザーからリサイクル料金を徴収しない方針だ。

二輪車リサイクルシステムのフロー図二輪車リサイクル台数の推移

リサイクルの流れを管理する

車両の状態を確認する車両の状態を確認するユーザーにシステムを説明ユーザーにシステムを説明取扱店が指定引取窓口に車両を運ぶ取扱店が指定引取窓口に車両を運ぶ指定引取窓口から処理・リサイクル施設へ指定引取窓口から処理・リサイクル施設へさて、取扱店に持ち込まれた廃棄希望の二輪車が、どのような仕組みでリサイクルされるか流れを追ってみる。
まず、取扱店では、ユーザーから二輪車の廃棄希望があると、二輪車リサイクルシステムの対象車両かどうか、車両の状態はどうかを確認する。システム参加メーカー等の製品でなかったり、著しい改造車など、引き受けられないケースもあるからだ。また、Rマークの有無もあらかじめ確認し、それによってユーザーの負担する料金が異なることなども事前に説明することとなっている。
車両が取扱店に持ち込まれたら、ユーザーには「二輪車リサイクル管理票」を起票してもらう。この管理票は、適正なリサイクルを確保するために考案された7枚つづりの複写式帳票で、「排出者(ユーザー)情報」「取扱店情報」「車台番号」「車種名」などを記載して運用する。車両と一緒にリサイクルの工程に沿って伝達され、ユーザー、取扱店、指定引取窓口、処理・リサイクル施設がそれぞれ"控え"を保管し、あとからでも車両の処理について確認ができる仕組みとなっている。
また、料金にかかわる手続きとしては、Rマークのない車両を持ち込んだユーザーは、管理票にとじ込まれている"払込取扱票"を使って、メーカー等(代行の管理会社)にリサイクル料金を振り込むことになる。それと、リサイクル料金とは別に、指定引取窓口まで二輪車を運搬する費用がかかるため、Rマークの有無にかかわらず、ユーザーは取扱店に運搬料金を支払うなど、必要な手続きをとらなくてはならない。
なお、こうした管理票による情報や、リサイクル料金の入出金情報、処理実績などの情報は、メーカー等が専門会社を通じて管理することになっており、10月1日より稼働する「二輪車リサイクルコールセンター」に、さまざまな問い合わせをすることも可能だ。

適正な処理・再資源化を図る

オイル類やバッテリーを除去オイル類やバッテリーを除去シュレッダーにかけるシュレッダーにかける有用な金属をより分ける有用な金属をより分ける抽出されたアルミニウム(左)と鉄(右)抽出されたアルミニウム(左)と鉄(右)今回のリサイクルシステムでは、ユーザーから受け取った廃棄二輪車は、取扱店が自ら指定引取窓口まで持ち込むことになっている。
指定引取窓口では、受け取った車両とリサイクル管理票を照合するなど手続きを経て、いったん車両を保管し、一定の数量がまとまると処理・リサイクル施設に搬送する。指定引取窓口が引き取った二輪車の情報に関しては、メーカー等(代行の管理会社)にオンラインで逐次連絡することになっている。
そして、実際に二輪車が処理されるのは、処理・リサイクル施設に運ばれてからで、今回指定された14カ所の施設では、二輪車を適正にリサイクルするために、一定の作業水準を維持するよう事前に実証テストを行い、これに備えている。
とくに二輪車の処理に当たって配慮が必要なのは、ガソリンやオイルなどの液類とバッテリーの除去で、処理施設では1台1台を手作業で取り組む。
そこまで処理が済むと、次には破砕機にかけられ、車両は粉砕される。ここから磁力や送風機などさまざまな手法を使って、鉄や有用金属等をより分け、資源として蘇らせる。ここまでが、メーカー等の行うリサイクルシステムの具体的な流れだ。

広く社会の理解と協力が必要

二輪車リサイクルのポスター二輪車リサイクルのポスター二輪車メーカー等は、このリサイクルシステムの社会浸透を図るため、自治体等を集めて概要の説明を行ったり、全国の取扱店を対象に、"販売店マニュアル"を作成して説明会を開催するなど、周囲に理解と協力を求めている。
また、二輪車ユーザーに対しても、"排出者責任"を踏まえたリサイクル料金の負担について理解してもらい、今回のシステムを活用することで、二輪車の不法投棄の防止はもちろん、適正なリサイクルが確保されることを広く呼びかけていく。

本ページは、一般社団法人日本自動車工業会が発行している月刊誌
「Motorcycle Information」 http://www.mc-info.jp/ 2004年9月号の記事を掲載しております。

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