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二輪車通行禁止の現場から(大阪編)交通実態と規制の整合性・点検が必要

本ページは、一般社団法人日本自動車工業会が発行している月刊誌
「Motorcycle Information」2012年7月号の記事を掲載しております。

各地に二輪車通行禁止の道路がある。規制の目的は、二輪車の事故防止のほか、暴走族対策などで実施されていることが多く、一般ライダーからすれば絶好のツーリングルートが閉ざされたり、場合によっては生活に必要な道路が通行できず不便な思いをしているケースもある。全国でも二輪車規制の多い大阪府では、ライダーが複雑な規制に困惑。ローリング族対策で20~30年前から通行禁止の路線では、周辺での暴走行為は激減しており、規制ばかりが維持されている。規制はこれまでに解除されたケースもあり、今後、全体的に点検することが望まれる。

大阪府内には二輪車規制が多い(大東市)大阪府内には二輪車規制が多い(大東市)本誌前号(289号)の「特集」では、首都圏にある二輪車通行禁止の路線についていくつか取材し、それぞれの規制実態についてレポートした。二輪車への通行禁止措置は、二輪事故防止のほかに、暴走族・ローリング族(峠道を周回する競走型暴走族)対策で実施されており、一般ライダーにとっては絶好のツーリングルートが閉ざされてしまうなど不満に思うケースも少なくない。今回は、全国でもとくに二輪車への通行規制が多い大阪府を訪ね、その現状を視察した。

二輪車通行規制が多い大阪府内

アンダーパスは原付の通行禁止アンダーパスは原付の通行禁止 大型トラックと二輪車を側道へ誘導大型トラックと二輪車を側道へ誘導 二輪車は夜間進入禁止(ビジネスパーク)二輪車は夜間進入禁止(ビジネスパーク) NMCA日本二輪車協会のWebサイトには「二輪車道路規制情報」コーナーがあり、そこには同協会が把握した全国の二輪車通行禁止路線が一覧化されている。東日本の73路線に対して、西日本は154路線と多く、その7割以上は大阪府に集中している。
NMCA日本二輪車協会が2001年に実施した『二輪車通行規制全国調査』によれば、大阪府内の幹線道路にはオーバーパスやアンダーパスが多く、速度の遅い原付(50cc以下)の通行は危険とされ、禁止されているケースが多い。また、府内には淀川など広い川に架かる大橋が多く、そうした橋でも交通の流れが速いため原付の通行が禁止されているケースがあり、地域的な特徴を背景にした規制となっている。

大阪市内のある二輪車販売店の話では、「国道423号の新淀川大橋は、原付の通行が禁止されているので川を渡れない。別の橋までかなり遠くに迂回させられるから、あれはなんとかならんかね」という。もし規制を知らずに原付でこの橋にやってきたら、即座には迂回路を見つけられないライダーも多いだろうという。
ほかにも、オーバーパスが規制されているために、狭い側道に大型トラックと二輪車が混合されたり(府道29号)、ビジネス街の一帯に二輪車での進入ができなかったり(中央区城見付近)、市内の目抜き通り(御堂筋=国道25号)が休日の深夜になると二輪車通行禁止になったりと、かなり細かな規制が敷かれている。

こうした状況にあって、先のNMCA日本二輪車協会には、大阪在住の原付ユーザーから、「大阪中央区から大阪南港ポートタウンまで原付で行きたいのですが、どのようにしたら行けるのでしょうか? 規制区間だけでなく、迂回路も教えてください」といった問い合わせが現実に届いている。二輪車に対する交通規制の複雑さが、大阪のライダーを困惑させているというのは事実であるといえそうだ。

一般ライダーへの制約が大きい通行禁止措置

二輪車は終日通行禁止(府道4号)二輪車は終日通行禁止(府道4号)首都圏で多くみられたのが、暴走族やローリング族対策としての二輪車通行禁止措置だが、関西にも同様の規制路線は多い。
大阪府箕面市の府道4号(茨木能勢線)と府道43号(豊中亀岡線)の一部区間は、1992年から二輪車の通行が終日禁止とされている。沿道には、箕面大滝、箕面公園、勝尾寺など観光スポットもあるが、二輪車ではアクセスすることができない。大阪府警は、「これらの路線は大型トラックの通行が多く、二輪車の安全確保およびローリング族対策のため規制している」と説明している。

二輪車は終日通行禁止(府道4号)左:路傍に倒れた規制看板
右:木立に隠れたままの道路標識・看板
実際のところ、これらの道路は、箕面市から亀岡市あるいは茨木市北部に通じる要衝となっており、峠道でありながら大型トラックなどの交通量は多い。二輪車との衝突事故も懸念されるが、だからといって二輪車だけを通行禁止にするのはおかしい。すでに規制開始から20年が過ぎており、規制の理由や経緯を知らない一般ライダーからすれば、「なぜここはバイクで通行できないの?」と、疑問に思うのが普通。
道路をよくみると、規制の案内看板が朽ちて捨てられ、規制標識も木立に隠れたままの状態になっている。こうした様子からみると、ローリング族対策といった目的はすでに薄らいでおり、規制が形骸化している印象を受ける。

この道も二輪車終日通行禁止(府道144号)この道も二輪車終日通行禁止(府道144号)またほかのケースをみると、府道144号(忍頂寺福井線)は、茨木市東福井から山手台につながる2.6kmのいわば"生活道路"。ここも1994(平成6)年以降、二輪車の通行は、「交通秩序を乱す」として終日禁止にされている。ところが、道の途中には大学などの運動場や住宅地があり、実際には多くの二輪車が行き来していた。

規制路線の住宅地に住むライダー規制路線の住宅地に住むライダー住民に話を聞くと、「ここに住んで数年になりますが、暴走族のようなライダーは見かけないし、警察の取り締まりも見たことはありません。バイクを規制する必要があるのでしょうか。私は警察から道路の通行許可を取っていますが、ほかのバイクがそうしているようにも見えないし、まじめに対応している人だけがわずらわしい思いをしている気がします」と話していた。

関西屈指の観光道路も二輪車通行禁止

信貴生駒スカイライン料金所信貴生駒スカイライン料金所観光目的の有料道路でも二輪車のみ通行禁止というケースがある。大阪府と奈良県の県境を縫うようにして走る「信貴生駒スカイライン」は、信貴山と生駒山を南北につなぐ全長20.9km(山上線・宝山線・信貴山線)の観光道路。この道路は近畿日本鉄道が所有しており、1964(昭和39)年の全線開通以来、行楽客に人気のルートだ。

全線にわたって快適なドライブコース全線にわたって快適なドライブコースところが1980年代に暴走族やローリング族が集まるようになり、周辺住民からの苦情で深夜から朝まではゲートを閉鎖。また二輪車に関しては事故が増えたため、1985年から警察による規制で全面的に通行禁止としている。料金所の担当者に聞くと、「入口に通行禁止の看板があるから、バイクはまったく入って来ないよ」とのこと。しかし、一般ライダーからすれば、「なぜクルマは通すのに二輪車は禁止なの?」と、腑に落ちない規制だろう。
クルマで走行してみると、スカイラインというだけあって道路は山の尾根付近を縦走し、眼下に大阪や奈良の街並みを一望する素晴らしい景観。本来なら、関西圏のライダーにとって絶好のツーリングスポットになるはずなのに、たいへん残念な規制といわざるを得ない。

路線ごとに規制の点検が必要

前回紹介した首都圏のケース、今回の大阪府のケースも併せ、二輪車通行禁止路線を分類すると次のように類型化できる。

二輪車通行禁止措置の類型
道路の形態 規制の理由 規制の特徴
(1)アンダーパス・オーバーオパス・橋梁 二輪走行は危険 終日規制 原付を対象にした規制が主流
(2)市街地の大通り 暴走族対策 曜日・時間規制が主流
(3)山間の主要道(峠道) 事故多発・ローリング族対策 ツーリングルートが規制される
(4)観光道路(有料道路など) 事故多発・ローリング族対策 ツーリングルートが規制される

現在の赤坂見附陸橋現在の赤坂見附陸橋(1)のアンダーパス・オーバーパス・橋梁については、原付はクルマとの速度差という安全上の問題があるためやむを得ない規制が多いものの、自動二輪車についてはクルマと同様に通行できるよう道路を整備・改善していくのが理想的だ。
たとえば都内では、長年、二輪車の通行が禁止されていた国道246号の「赤坂見附陸橋」(千代田区と港区にまたがるオーバーパス)が、2001年に規制解除されている。二輪車が陸橋から転落しないように防護柵を追加したのが解除の理由だ。

前号で取り上げた「新橋地下自動車道」の場合、危険とされるアンダーパスについ進入してしまう二輪車が後を絶たない状況なのに、その状態を何十年もそのままにしているのは道路・交通管理にも問題があり、何らかの対策を施して規制解除を検討すべきだろう。また、(2)の暴走族対策、(3)・(4)のローリング族対策が目的の規制についてみると、1980年~1990年代にかけて導入されたものが多く、規制開始からすでに20~30年の時間が経っている。

二輪車の通行が解禁された荒川土手上通り二輪車の通行が解禁された荒川土手上通り規制が解除されたケースでは、都内の東八道路(都道14号)の例がある。1985年から夜間の二輪車の通行を禁止していたが、周辺の暴走族の活動が鎮静化したことにあわせて2001年に規制を解除している。またこれ以外にも、1974年から禁止していた新宿・銀座など都心部への夜間の二輪車進入禁止を1995年に解除。暴走族が頻繁に出現していた足立区の荒川土手上通りの二輪車通行禁止なども現在は解除されている。

今回の取材を通じてみても、すでに規制の目的が薄れ、形骸化していると思われる規制路線は少なくない。地元のライダーに規制の解除を願う気持ちがどの程度あるか、それぞれの路線ごとに、二輪車の交通需要や、周辺での暴走行為が減少していればそうした実態なども踏まえて、規制のあり方を再点検する必要がありそうだ。

規制解除のためにもライダーの自制が必要

一方、二輪車の通行禁止を解除する場合、心配されるのが二輪車の事故増加。とくにローリング族対策で規制されている路線は、ツーリングルートとしても絶好のロケーションであり、関東の「筑波スカイライン」、関西の「信貴生駒スカイライン」など、解禁されればライダーのレジャースポットとして人気が出るだろう。
こうした点について、NMCA日本二輪車協会広報部長の坂上勇一さんは、「二輪車の交通実態と規制の整合性がとれているかについて、交通行政には全国的な点検を行ってもらい、見直しできる規制については解除が進むよう期待したいところです。また、同時にライダーの安全運転とマナーが問われていることも事実ですので、ライダー自身が自制のきいた運転を心がけ、社会からの信頼を獲得していくことも必要です」と話している。二輪車の通行規制解除に関して、行政とライダー、双方の歩み寄りが必要だ。

本ページは、一般社団法人日本自動車工業会が発行している月刊誌
「Motorcycle Information」 http://www.mc-info.jp/ 2012年7月号の記事を掲載しております。

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