2025.5.30
原付一種(いわゆる「50ccバイク」)の区分見直し=「新基準原付」に関するお知らせです。2025年から全国的に新たな制度が始まりますが、広大な北海道を走る皆さんにも影響のある話題としてご紹介します。
📉 原付一種、存続の危機…?
原付一種(50cc以下)は、1980年代のピーク時から大きく減少したものの、今も約9万3千台の販売台数(2023年)があります。その原付一種が2025年の排ガス規制対応(2025年11月以降生産のバイクが規制の対象)のため、発生する開発費用など事業性の見通しが立たず、存続の危機を迎えているのは周知のとおりです。
🔧 そこで登場、「新基準原付」
そんな中、国民の足として欠かせない乗り物である、50cc以下の原付一種を存続させるため「新基準原付」として枠組みの見直しが検討されていました。125ccクラスであれば規制に対応しやすいため、従来の「排気量」で区分されていた枠組みを「最高出力」に変更し、125cc以下の車両の出力を4kw(5.4ps)以下に抑えて一定の基準を満たせば「50ccクラス扱い」とする案についてさまざまな検討が重ねられました。
そして、いよいよ最高出力を4Kw以下に抑えた125cc以下の新基準原付を道交法上「一般原動機付自転車」とする「道路交通法施行規則」の一部の改正が2025年4月1日からスタートしました。※新基準原付はまだ発売されていません
>>>(一般原動機付自転車の車両区分の見直しについて | 警察庁)
>>>【これが正解】勘違いが多い「新基準原付」を詳しく解説 (日本自動車工業会)
❗ 原付免許で125ccに乗れるようになるの?
原付免許で乗ることが出来る125ccまでの車両は、これから発売される最高出力を4kw以下に抑えた「新基準原付」です。原付免許で現行の50cc超~125ccを運転することは無免許運転として扱われますのでご注意ください。
🚦 ルールは変わらない?変わる?
125cc以下の新基準原付が導入されても、二段階右折や30km/hの速度制限、2人乗りNG、普通免許に付帯される、といった現行原付のルールは継続されます。北海道内でも、都市部や交差点の多いエリアで二段階右折ルールは特に重要です。税制では現行の原付と同様の扱いとなり、排気量が91cc~125ccだったとしても税額は2,000円になる見込みです。(90ccまでは2,000円)
⚡ 電動化は進む?課題も…
なお、電動バイクであれば排ガスが無いので規制をクリアできますが、現状では航続距離やコスト、インフラ等の問題もあり、原付一種を完全電動化するのは今のところ困難とされています。北海道では航続距離や冬場の性能も関係してくるでしょう。
🧪 有識者の評価では…
有識者検討会による走行評価からは、125ccベースの新基準原付は車体が安定していることや加速性、パワーがかなり高く感じるなどの評価や、車体の大きさや重さによって、発進時のパワー不足や足つきのしずらさによる低速時の取り回しの難しさといったことが懸念される、などの評価がありました。北海道では信号の少ない道や、発進停止の少ないツーリング環境が多いとはいえ、通勤・街乗りでの使い勝手も要チェックポイントです。
・関連報告書
二輪車車両区分見直しに関する有識者検討会 報告書概要(92KB)
二輪車車両区分見直しに関する有識者検討会 報告書(2,468KB)
🛵北海道のライダーの皆さん!今後の車両選びやルール理解の参考に、ぜひこの「新基準原付」に注目してみてください!
●日本二普協 北海道ブロック