2024.3.14
原付一種(50cc以下)は、1980年代のピーク時から大きく減少したものの、今も約12万7千台の販売台数(2021年)があります。その原付一種が2025年の排ガス規制強化を控え、存続の危機を迎えているのは周知のとおりです。
国民の足として欠かせない乗り物である、50cc以下の原付一種を存続させるため、現在枠組みの見直しが検討されています。
検討されている案は、従来の「排気量」で区分されていた枠組みを「最高出力」に変更し、現行125ccクラスの出力を4kw(5.4ps)以下に抑えて一定の基準を満たせば「50ccクラス扱い」とするものです。警察庁の有識者検討会では2023年12月21日、出力制限を条件に総排気量125cc以下の二輪車を「適当」とする結論を踏まえて、道交法施行規則を改正する方針で区分を見直すとしています。
125cc以下の「新基準原付」が導入されても、二段階右折や30km/hの速度制限、2人乗りNG、普通免許に付帯される、といった現行原付のルールは継続される見込みです。
・有識者検討会による走行評価からは、125ccベースの新基準原付は車体が安定していることや加速性、パワーがかなり高く感じるなどの評価や、車体の大きさや重さによって、発進時のパワー不足や足つきのしずらさによる低速時の取り回しの難しさといったことが懸念される、などの評価がありました。
二輪車車両区分見直しに関する有識者検討会
検討会は、最高出力を4kw以下に制御した総排気量125cc以下の二輪車を原動機付自転車と区分することに関し、車両の走行評価や関係者からのヒアリングを通じて、その安全性や運転の容易性等を重点に検討するものとされています。
・報告書
二輪車車両区分見直しに関する有識者検討会 報告書概要(92KB)
二輪車車両区分見直しに関する有識者検討会 報告書(2,468KB)
・第3回(2023年12月4日)
・ 03 二輪車車両区分見直しに関する有識者検討会 報告書(案)の概要(93KB)
・ 04 二輪車車両区分見直しに関する有識者検討会 報告書(案)(2,469KB)
・第2回(2023年10月5日)
・ 01 議事次第(26KB)
・ 02 構成員名簿(58KB)
・ 03 走行評価結果(概要版)
・ 04 試乗会結果(詳細版)
・ 05 不正改造防止措置等について(262KB)
・ 06 議事概要
・分科会(2023年10月5日)
・ 01 議事次第(23KB)
・ 02 構成員名簿(48KB)
・ 03 走行評価結果(概要版)
・ 04 走行評価結果(詳細版)
・ 05 走行評価票(324KB)
・ 06 議事概要
・第1回(2023年9月11日)
・01 議事次第(23KB)
・02 構成員名簿(51KB)
・03 有識者検討会の概要(59KB)
・04 走行評価(139KB)
・05 走行評価票(64KB)
・06 スケジュール(案)(24KB)
・07 議事概要(110KB)
なお、電動バイクであれば排ガスが無いので規制をクリアできますが、現状では航続距離やコスト、インフラ等の問題もあり、原付一種を完全電動化するのは困難とされています。
●日本二普協 北海道ブロック